聖歌紹介シリーズ -1-

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-聖歌紹介シリーズ1-

教会に直接訪れたことのない方でも、一度は耳にしたことがある数々の有名な聖歌。メロディーは聞いたことがあるものの、一体歌詞にはどういった意味があったのか、どういう背景でつくられたのか。今後、少しずつ色んな曲を紹介していきたいと思います。

今日紹介するのは、「慈しみ深き」というタイトルで知られている聖歌。教会スタイルの結婚式では、必ず歌う聖歌ですが、実は結婚式のためにつくられた曲ではありません。

作詞者のジョセフ・スクライヴンには、婚約者を事故で亡くしたあと、母が重い病気に見舞われ、さらに二度目の婚約者も病気で失うという、つらい絶望的な過去がありました。全てを失い、希望が見いだせないような状況におかれても、素晴らしい支えで友でもある、イエス様の存在だけに励ましを受けることができた中で生まれたのがこの、いつくしみ深き、という賛美です。実は英語の題名は「What a Friend We Have in Jesus」、直訳すると「私たちはイエスの中になんという友を持っているのだろうか」になります。作詞者の心の状況を考えると、「いつくしみ深き」より、ピンと来ますね。

いつくしみ深き (賛美歌312番)


1.                    
いつくしみ深き 友なるイエスは、

罪とが憂いを とり去りたもう。

こころの嘆きを 包まず述べて、

などかは下ろさぬ、負える重荷を

2.

いつくしみ深き 友なるイエスは、

われらの弱きを 知れて憐れむ。

悩みかなしみに 沈めるときも、

祈りにこたえて 慰めたまわん。

3.

いつくしみ深き 友なるイエスは、

かわらぬ愛もて 導きたもう。

世の友われらを 棄て去るときも

祈りにこたえて、労わりたまわん。

(現代訳)

1.
イエスはなんというすばらしい友でしょうか、
私たちのすべての罪と悩みを負ってくださるとは!
なんという特権でしょうか、すべてを神に祈ることができるのは!
私たちは神に全てを祈り話さないことで、
どれだけ平安を受けそこない、
無駄に心を痛めているのでしょうか?


2.
試練や誘惑にあっていますか?困難がありますか?
失望してはいけません。
主に祈りなさい。
こんなに真実な友があるでしょうか、
私たちのすべての悲しみを感じてくださる
という方が?
主イエスは私たちの弱さを全部ご存じです。
主に祈りなさい。


3.
重荷に耐えきれず、心が疲れていますか?
尊い主は、私たちの逃れ場です。主に祈りなさい。
この世の友に嫌われ、無視されていますか?
主に祈りなさい。
主はそのみ腕にあなたを抱き、
あなたを守ってくださいます。
そこにあなたは慰めを見いだすでしょう。

本当に、いろいろな失望や悲しみをもたらす世界を生きる私たちが、頼ることができるのは唯一イエス様だけです。そのイエス様が、私たちに寄り添って、支えになろうとしているのですから、それ以上に幸せなことがあるでしょうか?

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